複素指数関数を用いることで,三角関数と指数関数を統一的に議論することができる

一般に複素数の指数関数は,実数の指数関数及び三角関数を用いて以下のように定義される:
e(a+bi)=ea(cosb+isinb)(a,bR)

なぜこのような式で定義されるかという理由を知るには,解析接続という概念を理解する必要があります。(詳しくはe^xのマクローリン展開,三角関数との関係をどうぞ)とりあえずは「このように定義したら都合が良いことがたくさんあるから」とおぼえておきましょう。

特に 
a=0
 の場合をオイラーの公式と呼びます:
eiθ=cosθ+isinθ

更に,オイラーの公式に 


θ=π
 を代入すれば有名なオイラーの等式(博士の愛した数式)を得ることができます:
eπi=1

一見何の関係もない三角関数と指数関数にこのような深い関係があるのは驚くべきことです。
複素指数関数を用いることで,三角関数と指数関数を統一的に議論することができ,非常に便利になります。