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ネットを通じてぼくらは初めて「他者」と出会ったんじゃないだろうか。ぼくらははじめて「あなた」じゃなくて「だれか」と出会った。これは画期的なことだ。電話や手紙の向こうにいたのはいつも「あなた」だったし、テレビが見せてくれたのは、いつも「わたし」だった。でも、ネットワークの向こうに居るのは、「あなた」でも「わたし」でもなく「だれか」なんだ。
具体的な対象ではなく、抽象的な第三者に対してメッセージを投げることができる、こんなことができたメディアはいまだかつてない(作者と読者の関係ににていなくもないが、読者にとっては作者は「だれか」ではない)。メールを送る瞬間や掲示板にメッセージを残すときに感じる、あのネットワーク全体にたいしてメッセージを投げているような不思議な感覚は、錯覚でも何でもない。
そう、変化したことはわかる。きっと誰にでもわかる。でもどこへ行くのかは誰も知らない。これを革命といわずして何と呼ぶよ?
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