支配層と被支配層
奴隷という言葉は強烈なので控えるが
現代の支配者層と被支配者層を比較すると
たしかに違いはあるのだし、
重大な決定を下すのは支配層であるが
(民主主義であるにもかかわらず、である)
暮らしぶりというものを比較するとたいした違いはない
住まいでも食事でも
知識とか娯楽とか
思考内容、感情など
特に質的な違いはない
量的に違うことは確かであるが
それだけと言ってしまえばそれだけである
寿命も違わないし
跡継ぎの男子が産まれないのも共通している
それだけ被支配層の暮らしは向上したと言えるだろう
一方で、支配者層の暮らしはあまり変わっていないと言えるかもしれない
プライベートジェットで移動することは
たしかに量的な違いが質的な違いになっているとも思うが
お金を出せば誰でも出来ることだ
支配者層にしかアクセスできない決定的に質の違いのある知性や感性があるのかといえば
残念ながらそうではない
それが支配層の一番悔しいところだろう
支配者なのにあまりメリットないなあと思っているかもしれない
なにしろ、被支配者は自由である
破滅する自由もあるのである
支配者層が破滅してもいいから自由にしたいと言ったとき
身内の激しい抵抗に遭う
革命の危険がなくなって
庶民に首を切られる危険はなくなったけれども
本質的な自由が制限されている状態が残ったのではないかと思う