1987年にフェアネス・ドクトリンが撤廃

1934年に成立した「連邦通信法(Federal Communication Act of 1934)」では、公共の放送における政治についての情報が公正なものであるべきであるという「フェアネス・ドクトリン(公平原則)」が導入されました。例えば、テレビやラジオで政治関連の内容を取り扱う場合、2大政党やその党の候補者にほぼ同じ時間を割いて報道させることが義務付けられていましたが、
規制緩和の流れの中で1987年にフェアネス・ドクトリンが撤廃され、メディア側の自由裁量部分が大きくなっていきました。規制緩和によるコンテンツの自由度が広がるとともに、イデオロギー色が強い政治情報提供も可能となりました。
衛星・CATVの普及をきっかけとしたテレビの多チャンネル化のほか、インターネットの爆発的な普及があり、多様な情報を提供する一環として、これまでの「客観」報道を超えて、リベラル・保守のそれぞれの立場からの情報発信が試みられることになったといえるかもしれません。
それぞれの放送局が独自色の強い報道を行ったとしても、多チャンネルであるから、総合的に見れば、問題ない。
MSNBCとフォックス・ニュース。リベラルと保守が隣り合ったチャンネル。