元気だったころに比べて何倍も疲れやすい

高次脳機能障害の方々は、ほぼ全例が、「元気だったころに比べて何倍も疲れやすい」とおっしゃいます。
すなわち、患者さんが訴えられる頻度の点では「易疲労性」は「その他の症状」ではなく、「主たる症状」のような気がしております。
疲れると、たとえば集中力が衰え、ものが覚えにくくなり、イライラするという症状にもつながっていきます。
「易疲労性」関連して気をつけなければならないのは、本人が気づいていなことがある点です。このような場合には、周囲が疲れのサインを指摘することが重要です。
すなわち、こまめに休息を取ったり、あらかじめ疲れに配慮した活動のスケジュールを立てたりして対応する必要があります。また、周囲からは「やる気がない」など意欲の問題や努力不足と勘違いされていることもありますので、周囲の理解が必須です。
「疲労」は種々の原因でおこりますが、高次脳機能障害者の場合には、本来ならば数百億個あるはずの脳細胞の相当数が損傷しているため、日々、眼や耳から大量に脳に入ってくる情報の処理が追いつかなくなり、脳が疲れるのであると想像されています。