“虹は天空にかかっているが、雨粒は相次いで速かに落下するので、虹を生ずる役目をつとめるのは、ほんの一瞬間に過ぎない”
自殺について (角川ソフィア文庫) / ショーペンハウエル
虹はどうして見えるのかという話を
進化生物学のリチャード・ドーキンスが何度か繰り返して本に書いている
科学はこんな風に面白いよという主題の本の中でなのだが
改めて考えてみて説明するとなるとなかなか難題である
ドーキンスの説明も分かるのだが
なんだか不思議な感じがする
太陽を背にして立ち、遠くの雨粒が落ちている方向を眺めると、
太陽光が、雨粒に入って、二回反射して、出てくる
そのときプリズムになって光が虹になる
というような説明なんだが
雨粒と言っても、途方もなく遠くの雨粒なんですよ
信じられる?
だから虹にどんなに近づいても
虹の橋のたもとに何があるかなんて言うメルヘンのお話を確認することも出来ない
しかも、その雨粒は次々に落ちていって入れ替わっている
それは不思議はないと言われれば不思議はないのだけれども
図を描いてみるとやはり不思議な感じだ
と思っていたらショーペンハウエルがこんなことを書いているというので
興味深いと思った