タタラ製鉄

かわりばんこ
何人かで順番に交代しながら作業をすることを「かわりばんこ」という。前半の「かわり」は分かっても「ばんこ」って一体なんだろう、と思ってしまう。実はこの語源を追い求めると、インド古語のサンスクリット語までたどりつく。
昔、鉄の精錬などをする時には、鞴(ふいご)という風を送る装置を使っていた。この装置の踏み板をサンスクリット語で「タタラ」という。タタラ製鉄、というのを聞いた事があるかもしれない。これも鞴を使った古代の製鉄技術のこと。
昔はモーターの代わりとして労働者たちが交代しながらこの「タタラ」を踏み続けた。この労働者の事を「バンコ」(番子とも書く)と言っていたのだ。ここか
ら転じて、交代で何かをする「かわりばんこ」という言葉が生まれたのだ。ちなみに、「勢いあまって、踏みとどまろうとしつつも数歩あゆむ。」という意味の
「タタラを踏む」という言葉もここから生まれた言葉。