東京都日野市が古い封筒を利用する際、表に印刷された「日本国憲法の理念を守ろう」という言葉を黒く塗りつぶしていたことがネット上で問題になり、市に問い合わせや抗議の電話が相次いだ。市は「単純なミスだ」と説明。大坪冬彦市長は30日、「誤った事務処理により、誤解を与えて遺憾に思う」とのコメントを市ウェブサイトで発表した。
市によると、封筒は1~2年ごとに文言やデザインを変えて数万枚作っている。「日本国憲法の理念を守ろう」の封筒は2010~11年に作られた。その後の変更を経て、今の封筒にはその文言はない。市長公室は「盛り込む文言を減らしてメッセージ性を高めようと、11年か12年の変更時になくなった」とする。
今年2月ごろ、環境共生部緑と清流課で約1万枚残っていた古い封筒を利用する際、課長が「今の封筒と同じようにして使うように」と指示。同課では約1200枚の封筒について、いくつかあるフレーズのうち「日本国憲法の……」の文言を黒く塗りつぶし、うち約700枚を郵送などに使った。