"若い男が大嫌いなのは、田舎でさえないヤンキーで、ほんとに無職が普通っていう……。
それで車に乗って、いきなり中出ししてみたいな。コンドームないからサランラップみたいな。ほんとにあったま悪い、田舎のヤンキーいるでしょ。
ああいうのが普通にかっこいいなって思ってたんですよ。ケンメリとかシャコタンとか、土禁の車でね、そういうのしか見たことがなくて、目標になる女性もいなかった。
みんないつも怒ってた。男と別れて仲居さんになったり、ホステスさんになったり。それで女の人はみんな殴られてた。で、殴られてる女が褒められた。「我慢強い」「偉い」っていって。「あんな難しい男についていったあんたのお母さんは偉かったで」って。
殴られたお母さんって子供を本気で怒るんですよ。ものすごい怖い声で怒るの。私も将来子供が3人くらいできて、やっすいアパートで洗濯機回しながら、そんな女になって、旦那に殴られるんだなーって思ったの。
周りの先輩たちもみんな16ぐらいで中出しでいきなり子供生まされちゃって、18ぐらいで次の男になって、また中出しで生まされちゃって。もうもうみんな殴られて20歳でボロボロなのね。初恋もクソもないんだ。
私、絶対将来男に殴られる、すごい怖い人生送って、しかも自分の子供を殴る女になるんだと思って。だって素敵な女性はいないし、優しい男性もいなかったから、そんなになっちゃうのが怖くて仕方なかった。
それがイヤだったから東京に来たの。東京来たらどうにかなると思って。それで新宿の歌舞伎町で、ミニスカパブで働いてたら、もっと怖くて(笑)。"