「パパ、おいしいみかん選んで」

家のテーブルにみかんが置いてあって、子供たちがいつも
「おいしいみかん選んで!」とお母さんに言うらしいのです。
お母さんは、
「うーん・・・・どれかな、どれかな?・・・・これ!」とひとつを選び出し、それを子供たちは楽しみにしていたのでした。
しかしある日、たまたまお母さんがいなかったので、一番下の男の子が「パパ、おいしいみかん選んで」とやってきました。
「パパ」である友人は、
「どれがおいしいかなんて、自分で選ばなアカンやろ」と言ったところ、子供はびっくりして泣き出してしまったそうです。
大好きな誰かが選んでくれたら、それが実際はすっぱかろうがなんだろうが、「おいしいみかん」なのだ、というマジックを、友人は理解していませんでした。
選んでほしい、というのは「選ぶのが面倒だから選んで」ではなく、「パパの選んだおいしいみかんが食べたいな」という、
子供からのコミュニケーションだったわけです。
「これかな?」と適当に渡しておけばよかったものを、持ち前の律儀さが、墓穴を掘ってしまいました。
これを読んでいるあなたは「冷や水ぶっかけパパ」ではありませんか?”