"一日を充実して丁寧に生きるといっても
特別に起伏のある人生の時間を期待しているのではない
激しい歓喜を予期しているのでもない
ただ別の日と同じ程度の安定した一日
どちらかといえば淡々としているが
一日をやや疲れて満足して終わりたいものだ
そうした人生の行く先には結局何もない
個人的に影響を及ぼす範囲というものは多少はあるが
それも時間がたてば完全にゼロになるだろう
DNAが残るという点で子孫のことは考えるが
大きくなってしまえば別人格なのだから
そこに大きな満足があるというものでもない
結局のところ、完全に説明し尽くすことはできないけれども、
一日の終わりの疲れが、今日も一日よくやったという印のような気がしている"