「結婚」の決め手となる5つのポイント

【1】何も無い場所で一緒にいて心地いいか
話題のオシャレなカフェや人気の遊園地など、用意された特別な環境ではなく、「何もない場所」にいても心地いいかどうか。これが重要です。作られた公園よりも、なるべく自然のなかで二人で過ごしてみてください。そのときの二人の気持ち、感じることをシェアして楽しければ、きっといい夫婦になれるでしょう。
できれば、一緒に山登りをしてみましょう。2~3時間で登れる簡単な山で構いません。旅行と違って「もくもくとひたすら歩き続ける」という行為をシェアすることで、結婚生活をイメージできるかもしれません。苦難を二人で乗り越える練習にもなるはずです。
【2】心身ともに裸を見せてもいい相手か
一緒に暮らすということは、心と身体を裸にする関係になるということです。キラキラはもちろん、ドロドロしたところも見せ合うことになります。隠し通せるものではありませんし、演じ続けるのは精神的にもかなり大変。
とはいえ、どこまで裸の自分を見せるかの度合いは二人の好みです。
例えば、オナラ。「夫婦の関係はオナラが平気でできるかどうかで決まる」という説を唱える友人がいます。でも、平気でオナラができる関係にはなりたくない人もいますし、かといって、「オナラを聞かせてしまったから別れる」という関係でも続きませんよね。
「うっかり出ちゃうのは仕方ないけど、なるべく聞こえない場所でして欲しい」「夫のオナラは聞いても平気だけど、私のオナラは聞かせたくない」など、いろいろですよね(笑)。
【3】会話が無言になってもしんどくないか
しゃべり続けないとしんどい関係というのは、気を遣いますよね。気を遣うということは、「自分らしくない状態」でいるということ。全身の筋肉、特に、背中が硬くなってしまい、疲れてしまいます。
安心し切ってだらけた状態でいることがいいというわけではありません。その度合いも共感できるといいですね。
不自然な会話が無くても平気でありつつ、夫婦間で、「おはよう」「おやすみ」の挨拶や、感謝や謝罪の言葉は忘れない。というバランスの良さが、いさかいを遠ざけてくれるはずです。
【4】互いの「喜び」と「悲しみ」を共感しシェアできるか
本当の意味での「共感」はとても難しいのですが、「わかろうとする」という姿勢が重要。男女という性差よりも、人と人の個人差であると捉えることが重要です。「カンペキな理解」は不可能であり、必要は無いはずです。枝葉までわかり合えなくても、幹や根っこが似ているのなら、夫婦は寄り添っていくことができます。
「性格の不一致」なんて当たり前だと思いますし、二人が同じである必要はありません。よく似た夫婦は理解してもらいやすく気楽かもしれませんが、「自分とは違う人と相容れる」という切磋琢磨によってこそ、人間として深みが増して魅力的になれるもの。
似ているところと正反対のところ。両方があるほうが、結婚生活でたくさんの喜びを得られる可能性があります。ただし、私は「得られるもの」と「失うもの」、「喜び」と「悲しみ」は表裏一体であり、一対だと考えています。
そして、二人のタイプの違いが大きいほど、「支え合えたときの二人の生み出す力」も大きいのだと思います。
【5】長期的な視点で互いを受容できるか
最後に、自分のこと。人は変わりゆくものです。「あなたは変わってしまった」なんていう台詞がドラマなどに出てきますが、動物はいつも成長し続けるもの。心も肉体も、見えないけれど変化し続けています。
考えや価値観、仕事や環境が変わっていきます。それを想定して、自分のこと、相手のことを見てあげられるかどうかが重要です。
例えば、筆者の場合。夫は、出会ったころ広告制作会社のコピーライターでありディレクターでした。頭の回転が速く調整能力が高い人で、仕事のできる彼を私は尊敬していました。ところがつきあい出してしばらくしてから、父親の死をきっかけに、彼は、自営業のボディワーカーに転身しました。その後、私の母も亡くなり、私自身、体調を崩しました。二人の関係は、とても揺れました。
それでも、根本的な価値観、目指していることがよく似ているため、互いに刺激し合いつつ、支え合うことができているのだと思います。
仕事の変化、親族の死などによって、二人の関係も変わります。そんなときに、どこまで新しい関係を築き直していけるか。目の前の姿(状態)ではなく、長期的な目線を持って互いを見ていけるか。その冷静さ、俯瞰した視点が持てるかどうかも重要です。
「結婚」の決め手となる5つのポイント