深刻なのが、“待機老人”の問題だ。
これは、身よりもなく、行政のサポートが必要であるにもかかわらず、公的な老人ホームなどへの入所がかなわない人々のこと。
厚生労働省発表の「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」によると、その数は'14年3月の集計で52万3584人にも上る。この大半が、行き場のない“待機老人”だと考えられるのだ。
「同年の厚生労働省の公式計数によると、『保育所入所待機児童数』、いわゆる“待機児童”は4万3184人ですからね。預ける先はなくとも、最低限の生活は親が面倒をみている児童と、“終の棲家”もなく食い詰めている老人たち…どちらが深刻な問題であるかは論を待たない」