時代の精神病理

シゾフレニーに関して
産業革命が起こり
農村部から都市部への人口移動が発生し
その時に幼少時のドーパミンレベルセッティングから
大きくずれた都市でのドーパミン・セッティングに移行しなければならない
しかもたいていは思春期である
そのようにしてドーパミン・システムの破綻は起こり、シゾフレニーが成立する

産業革命以前にももちろんシゾフレニーは見られたのであるが
てんかんなどと同様に、特異な宗教的才能とみなされることもあったのだと思う

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炭鉱労働での酸素欠乏や塵肺が典型的に環境の所産であるのと同様で、
一時期の、シゾフレニーのある種の病型もまた環境の産物であると考えられる

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現代にいたり、情報革命のさなかにあり、脳が処理しなければならない情報量は飛躍的に増えて
脳は常時過覚醒状態をPCやスマートフォンによって強いられている。

典型的にはIT産業従事者やホワイトカラーの一部に
慢性反復性脳疲労の結果としてのうつ病が発生する
このタイプはもともとの性格が大きく影響し、その上に慢性反復性脳疲労が発生するので、
基底となる性格が拡大される形で、しかも退行した形で発現することになるようである。

それは従来の総うつ病と関係してのリビドー枯渇型のうつ病ではなく
また正確に反応性うつ病または喪失体験後のうつ病とも異なるものである

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リビドー枯渇型をメランコリータイプと呼ぶのも正確ではないように思う
メランコリータイプは少なくともあれこれ考え込む
リビドー枯渇型は考えこむだけのエネルギーもない様子である
無欲動・アパシーに近い感じはする