"医学ニュースなんかを見ると、毎日毎日いろんなニュースが出ている
中にはうつ病予防には何を食べたらいいとか
運動はどうすればいいとか
そんな話が繰り返されている
多いのは味噌汁とか納豆とかヨーグルトとか
また赤ワインとか魚とか
だいたい、ニュースとして価値のある情報が毎日のように出現するということが
医学分野であるはずもないだろう
政治経済なら毎日いろいろあって当然であるが
科学の世界では毎日新発見があるはずはないのだ
だいたいは新米記者が毎年仕方なく開かれる学会に紛れ込んで
どうでもよい低レベルの報告の中で一般の人にも分かりやすいものを選んで報告するから
赤ワインがいいとかチーズはどうだとかそんな話ばかりになる
ニュースバリューがどうであっても大して問題はないから新米記者の練習にはいいのだろう
「ためしてガッテン」的なレベルなのだけれども
患者さんの一部は素直に信じているので
質問されるとそれについて何か説明しなければならないことも生じる
困ったものである
法律とか環境分野とかITとか金融とか不動産とか
それぞれ専門分野の人は新聞やネットで流れている劣悪な情報が
自分にはよくわかると思うが
それを信じている一般の人にどう説明すればいいかと考えると
その果てしない労力を考えると
何も言わないでおくのが一番いいと思うのではないだろうか
不動産の専門家と話していると
事情は医学の世界とだいたい同じらしい
困ったものだがどうしようもない"
"人々は何をどういう理由で信じるに至るのか、不思議なものがある"