韓国激震 常軌を逸した極悪わいせつ動画SNS「N番ルーム」事件の闇

韓国激震 常軌を逸した極悪わいせつ動画SNS「N番ルーム」事件の闇
<今、韓国国民の視線が降り注がれている身の毛のよだつような「N番ルーム」事件とは──>
今、韓国では恐ろしい事件に国民の怒りが集中している。数週間前から韓国の知人のSNSなどを通じて「N番ルーム」と言う単語を頻繁に見かけるようになった。気になり検索してみると、そのあまりにも酷いわいせつ事件の実態に、被害者たちと同じ女性として許せない感情が沸き上がってきた。
これは、ドイツ発のチャット機能に特化したコミュニケーションツール「テレグラム」を使い、秘密裏に行われていた闇わいせつ動画SNSに関した事件である。昨年1月にソウル新聞の取材によってテレグラムを使った児童わいせつ画像共有問題が発覚し、11月にはハンギョレ新聞がこのN番ルームなど闇わいせつ動画SNSの実態をスクープして注目を集めるようになった。
N番ルームでは、自らを「博士」と名乗る容疑者チョ・ジュビンが「奴隷」と呼ぶ女性たちにわいせつ動画を撮影させて受取り、テレグラム上で募った会員たちにレベルに応じてそのわいせつ動画を閲覧させていた。会員はレベル1(会費:20〜50万ウォン)からレベル3(会費:150万ウォン)まで分かれており、さらに会員の中から「博士」が気に入った「職員」と呼ばれる手下の会員数名に「奴隷」女性を強姦させ、その動画を作らせ映像公開させていたそうだ。
博士は、女性たちを高収入アルバイトなどで誘い込み、個人情報を巧みに聞き出したうえで、奴隷へと誘導していった。さらに、彼女たちを脅し動画を撮らせるだけでなく、新たな女性の知り合いを連れてくるように指示。さらにその数を増やしていく手法で、被害女性は74名に上り、その中には16名の未成年者も含まれていた。
10歳未満の少女も被害に
女性たちは個人情報などを盾に取られわいせつ動画の撮影を強いられていたが、それらは普通の性行為だけでなく、「ナイフで皮膚に奴隷と刻ませる」「膣内に虫やはさみを挿入する」「男性公衆トイレで強姦/自慰」「床をなめる」など常軌を逸した酷い行為を強要されていた。中には10歳未満の幼女たちのビデオも存在したという。
博士と主犯の計13名はすでに検挙されたが、全ては外国のサーバーを通じた「テレグラム」のオンライン上でやり取りされている点や、N番ルームだけでなく、同様のトークルームは細かく細分化し60以上も存在していた点。さらに、被害者である女性が自ら撮影し映像を提供しており、さらに被害者でありながら新たな被害女性を連れてくるなど加害者側に回っている点など、犯人たちはたくみにネット上での抜け穴を利用し、重罪を被らないようにしていた。
現在、一部の韓国人たちが協力し合い、この事件の全容を英語や日本語、スペイン語、中国語などに翻訳しTwitterやインスタグラムを通じて拡散しながら各国からの協力を呼び掛けている。
韓国では、国民が政府にオンラインで直接意見や提案をすることができる「国民請願」というサービスがあるが、ここに早速「N番ルーム事件の根本的解決のため、韓国と(テレグラムの会社がある)ドイツによる国際協力捜査を請願する」という要望ページが誕生した。
国民請願はオンライン署名制になっていて賛同者が20万人を超えると、大統領府は何らかの回答をしなくてはならない。もちろん、この要望は1月23日には回答要件である20万人を突破している。3月18日には達成人数10倍200万人をも突破した。
3月18日には、「首謀者の身元公開と被害女性のホットライン開設を求める」という要望ページも誕生し、もうすでに230万人以上(3月23日現在)の賛同を得ている。これを受け、警察では3月24日午後2時に情報公開の可否をめぐり審議委員会を開催。「博士」ことチョ・ジュビン容疑者(24)の顔写真と身元情報を公開した。
一方、これよりも1日前の23日にSBSニュースが「博士」の情報を顔写真と共に単独報道を行い話題となった。また、文在寅大統領も事態を重く受け止め、異例の速さで警察に徹底調査の指示を出すなど、韓国の世論とメディアの力を見せつけた。
現在、市民たちの怒りの矛先は残りの首謀者たちはもちろん、お金を払っていたトークルーム参加者にも向こうとしている。女優のムン・ガヨンは21日、自身のインスタグラムに「加入者全員の身元公開を望みます」という国民請願を提出したことを発表した。すると、すぐに多くの賛同を得て、こちらも200万人以上の署名が集まっている。
また、女性アイドルグループGirl’s Dayのヘリや女優ハ・ヨンス、男性アイドルグループEXOのベクヒョンとチャンヨルなど多くの芸能人もSNSにこの事件に対するコメントを載せ話題となった。
被害者のケアを
テレグラム上では、N番ルーム以外にいくつかのトークルームが存在し、それぞれ管理者が異なっていて複雑化していたが、今回の韓国裏わいせつ動画SNS関連にかかわった会員の数は一説では26万人を超えると言われている(韓国の報道ではその中でも実際にわいせつ動画トークルームに出入りしていた会員は3万人とも言われている)。今後、自分の情報公開が始まるかもしれないと内心震え上がっている元会員たちも多いだろう。しかし、今更後悔したところで自業自得である。
今後、このような猟奇的で卑劣な事件が二度と起こらないよう、被害者女性たちのプライバシーと心のケアをしっかりとサポートしたうえで、加害者には重刑を望むとともに、これは韓国だけでなくどの国でも起こりえる問題であるという点をしっかり考えていかなくてはならない。