工具図書館

“工具図書館は、本の図書館で本を借りるのと同じように、工具が借りられるところ。工具が必要な一般の人たちに貸し出している。これを利用すれば、工具を買ったり、自分のうちに保管しておく必要がない。多くのMakerにとって、高価な工具を買って自宅で使うというのは贅沢すぎる。そこを、工具図書館が助けてくれるのだ。 個人ではとうてい購入できない工具を使わせてくれるサービスも素晴らしいが、それとは別に、工具図書館は、Makerコミュニティを束ねる重要な役割を果たすと思う。Makerスペースが(まだ)ない地域で工具図書館を開設すれば、その地区のMakerを集める触媒として機能する。いろいろなリソースがどんどん登場してくる今、これまでにくらべてずっと簡単に工具図書館が作れるようになっている。 Tool Library Starter Kit – ウエストシアトルの工具図書館が、他の地区でも立ち上げられるようにとスターターキットをまとめてくれた。貸出同意書や督促状の書き換え可能な文例など、実際に立ち上げ作業をするときに予想される細かくて面倒な作業を助けてくれるので、かなりの時間の節約になる。 Shareable.netの”How to Start a Tool Lending Library” – Shareableは、工具図書館に関するブログを運営している。そこでは、経験豊かな工具図書館のスタッフや、新しく開設した人たちのインタビューなども読める。また、工具図書館に関する疑問に答えるコーナーも大変にためになる。 Guide to Sharing – The Center for a New American Dreamは、Shareable.netと共同でGuide to Sharing(共有のためのガイド)を公開している。工具図書館の立ち上げ方法についても10のステップで解説している。 West Seattle Tool Lending Libraryの共同創設者、Gene Homickiは、Guide to Sharingに書きそこなった話や手順について、別の形でまとめている。 毎週、国中の(そして外国も!)工具図書館を開設したいという人たちからの質問がたくさん送られてくるのには驚かされます。「本ではなくて工具を貸し出す図書館」と聞けば、さまざまな工具を自分で買ったり手入れをせずに使えるようになると誰もが夢見ますが、そんな幸せな時間はすぐに終わり、やがてこう考えるようになります。「ひとつ間違えば大けがをしかねない工具を貸し出す責任の重さに耐えられるだろか」と。”
— Zero to Maker:工具図書館の作り方