マンガ読んで寝た

“”お金の知識がないのは現代社会の大人として恥ずかしいと思って勉強してみたけど、超つまらなかった。投資のプロと話す機会があったので相談したら、「やらなくてよろしい」と断定された。
「あなたは放っておいたら家計が破綻するタイプではない。むしろけちだ。あなたは収入が一般的でたいした資産がない。だからお金の勉強をする義務はない」
「あなたの収入でも、勉強して多少なりともリスクをとって、たとえば年間数万円から十万円の運用益を手に入れることはできます。でもそれが真実得になる人とそうでない人がいる。あなたはそのための勉強や手続きが楽しくないんだから、これを労働と考えて時給換算したら割りに合わないと感じるはずだ。あなたはそのぶんの時間、ごろごろ寝て好きな小説やマンガを読んでいたらよろしいのです。あなたにとってそれは十万円よりはるかに価値のあることなんだから」
「自分の得られる幸福が多いほうを取るんです。お金の勉強が楽しい、リスクを取る判断に知的興奮をおぼえる、不労所得を得たら気分がいい、こういう人にとっての資産運用はぜひやるべき、お得なことです。いい気分で十万円入るんだからやるべきだ。あなたはいい気分にならない。それなら運用で十万円得てもぜんぜん得ではない。そのぶんの時間、マンガ読んで寝てなさい。余ったカネは銀行にぶちこんで寝てて良い。銀行が運用しろと言ったらよそでしますと言いなさい」
私はそれを聞いてたいそう安心し、マンガ読んで寝た。