うつ状態チェック

うつ状態チェック

どんなときに「うつ状態」というのか教えてください。

うつ状態のチェック表を紹介します。何個か当てはまったからといって、すぐに「うつ状態」だと判定するものではありません。人間ですからいろいろなことで落ち込むのが当たり前です。多く当てはまっていたならば、少し休んだ方がいいのかなと考えて参考にしてください。(ストレス・マネージメント・パワー・グループによる。笠原、SDSなどから構成。「こころの辞典」参照)

1. 朝いつもよりはやく目が覚める
2. 朝起きたときに気分がすぐれない
3. 朝いつものように新聞やテレビをみる気になれない
4. 服装や身だしなみにいつもほど関心が持てない
5. 仕事にとりかかる気になかなかならない
6. 仕事にとりかかっても根気がない
7. 決断がつかない
8. いつものように気軽に人に会う気にならない
9. なんとなく不安でイライラする
10. これから先やっていく自信がない
11. 「どこか遠くへ行ってしまいたい」と思う
12. さびしいので誰かにそばにいて欲しい
13. 涙ぐむことがよくある
14. 夕方になると気分が楽になる
15. 頭が重い、痛い
16. 食欲がない
17. 体がだるく疲れやすい
18. 気分が重い
19. 話に集中できない
20. 首筋や肩がこる
21. のどや口がかわく
22. 息がつまって苦しくなる
23. のどの奥にものがつかえる感じがある
24. 寝付きが悪い
25. 夜途中で目が覚める
26. 自分の人生はつまらないと感じる
27. 何をするにもおっくうである
28. 最近やせてきた
29. 便秘している
30. 胸がどきどきする
31. 自分は人に迷惑をかけていると思って心配だ
32. 将来に希望がない
33. 自分は役に立たない人間だと思ってつらい
34. 今の生活に張りがない

家族の一員がひきこもりを続けていて困っています。なにか方法はありますか?

ご本人も、内心では焦ってはいても、どうしてうまくいかないのか分からなくて、どうしようもないという場合が多いのではないでしょうか。ご家族としても、心配はしているが、実際にどうすればいいのか、手がかりがないという場合が多いようです。昔から、人生の一時期に引きこもるタイプの人はいたのではないでしょうか。その人なりの人生の時間がありました。今よりも多様な人生があったのではないでしょうか。しかし現代社会は、そうした時間の流れ方の違うタイプの人を排除する傾向があります。結果として、そうした人たちはますます引きこもることになるでしょう。時間がたてば、ますますきっかけは遠のくようです。ご家族の方が参考文献を読んで、知識を深めるのも意味があると思います。まず家族相談を始めましょう。いろいろと方法はあります。あきらめないで下さい。きっとお力になれると思います。

安定剤や抗うつ剤を使うことは心配です。大丈夫でしょうか?

一般に、薬を使うことについては慎重でなければなりません。安定剤や抗うつ剤に限らず、解熱鎮痛剤でも、抗生物質でも同様です。たとえば厚生省で認可された薬だからといって、万全というわけでもありません。認可・販売が取り消しになる薬もまれにあります。そんな中で、どのように有効で安全な薬を合理的に用いるかが問題です。安定剤や抗うつ剤についてはこうした不安が特に強いようで、患者さん方にお薬をおすすめする際にいろいろと説明しています。必要最低限の量を、最短の期間だけ使うこと。これが薬剤使用の基本です。

薬は自然の食べ物ではありませんから、むやみに口から入れないのがいいと思います。これが原則です。食品添加物、防腐剤、最近話題になっている環境ホルモン物質など、薬以外にも注意すべき物質はいろいろあります。どれも微量だからたいしたことはないと説明されることが多いのですが、微量といえども、少なければ少ないにこしたことはないでしよう。いろいろな危険が複合するときの危険も考えておかなければいけません。薬もそうした危険のなかの一つで、できれば薬なしの自然な暮らしがいいと思います。しかしここでも、効果と危険の合理的な選択があるはずです。

例えば、夏のエアコンを考えてみましょう。エアコンは自然のものではありません。場合によっては冷房病といわれるように、自律神経に影響を与えます。だから全くない方がいいかといえば、それは使い方の問題です。温度や風を適切に管理すれば、エアコンによって夏を大変楽に過ごせるのです。エアコンが悪いのではなく、エアコンの間違った使い方が悪いのではないでしょうか。薬も同じです。毒になるか、薬になるか、使い方一つなのです。そのために薬に関しての正しい知識を身につけましょう。最近は薬を調べる本が出版されていて、副作用の項目を調べて悩んでいる人も少なくないようです。悩んでいないで相談してください。「対話と納得」を積み重ねて、正しく合理的に薬を利用しましょう。