金融審議会「市場ワーキング・グループ」2000万円用意が必要

麻生金融大臣が命令してまとめた書類。
金融審議会「市場ワーキング・グループ」(座長 神田秀樹 学習院大学大学院法務研究科教授)においては、平成30年9月より、計12回にわたり、「高齢社会における金融サービスのあり方」など「国民の安定的な資産形成」を中心に検討・審議を行って来ました。
これらの審議を踏まえ、金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(別紙1)が同ワーキング・グループにおいてとりまとめられましたので、公表します。
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603.html
この中に、「年金は足りないから、自分で2000万円は用意しないとだめ」との部分があり、「100年安心」と宣伝していたのと違うではないかと問題になった。
自民党は、報告書は間違っていない、前提がおかしい、誤解を招く、と言い出し、さらには麻生大臣は報告書を受け取らないと表明、受け取っていないのだから、存在しないのと同じ、国会で審議する理由はないと屁理屈を言って開き直り、ワーキング・グループのメンバーはあきれている様子、野党もびっくり。
麻生大臣に「報告書は読んだのか」と質問すると、全部は読んでいない、最初のほうだけ読んだと回答。きちんと読んで、理解していれば、今日の失態を回避できたはずだと思うが、不思議な話だ、そして、麻生氏が読まない・理解しないのは周知のことなのだろうから、側近たちは読んで理解して「これは選挙前にはアブナイ文書だ、選挙が終わった後に公表しよう」とは考えなかったのか、そこが分からない。多分、複数いる側近が、お互いに、誰かチェックしただろうと考えて、見逃してしまったのではないだろうか。
だとすれば、同様の見逃しは他にもあるのではないかと考えられ、一般に対して知らされるものはいいのだが、機密事項に関しては、間違いや訂正すべき部分についても、そのままになっている可能性があると思う。
読んでいないとか、取り消す、受け取らない、などの対応は許されるものではない。
麻生氏についてはもう昔から限度を超えてしまっているのであるが、今回のものは突発的な失言や放言ではないから、麻生氏側近の怠慢だろうと思う。
おみこしがあほだという問題ではなく、お神輿を担いでいる人たちが怠慢だったということだ。ここまで緩んでいると次に何が起こるか不安。麻生周辺の態勢立て直しは簡単ではないように思う。
安部、菅、麻生の三者が政権トップを形成しているのだろうが、そろそろ麻生氏はこの内部の三角関係から滑り落ちるのかもしれない。また、これまでの経過を見ると、麻生氏ももう終わりか、辞任かと思われた場面もあったが平気で乗り切ってきたので、今回もまったくそうではないかもしれない。
あ、でも、報告書の発表直後の段階で、「100歳までの計画なんか考えたことあるかよ、ないだろ、俺はないね、これを機会に考えたらいいんじゃないの」と得意顔で解説していたから、「2000万円用意しろは問題になる」との予測が周囲にもなかったのだろう。
多分、政府首脳の考えとしては、もっと「アブナイ」話はたくさん明らかになっているし、それをうまくすり抜けてきているのに、なんでこんな些細なことに過剰に反応するんだ、と苦虫をかみつぶしているところだろう、そしてまた、もっと大きなネタについて、野党やマスコミが騒がないようにと願っているところだろう
防衛予算でアメリカから爆買いしても一部の人が騒ぐだけでたいして問題にならないのに、年金となると、たったこれだけで、こんな大騒ぎかと、半分笑いながら話しているのだろう。「でも、本当のことだから、いいことをしたんだ」という気分だろう。