結局、いい思いするのは富裕層なのか

米国で貧困層白人の雇用を回復したとして、
その給料がどうかという問題。
昔のような中産階級の給料がももらえるのか、
あるいは、移民の給料で我慢するのか。
移民の給料で我慢するなら、物価は上がらないが、給料は少ない。
昔の給料をもらいたいと言えば、物価が上がり、やはり相対的に貧しくなる。
もちろん、会社経営人の報酬を減らして、労働者に回せばいいのだが、
そんな経営者なら、現在のようにはならないのだ。
補助金を出しても、関税で保護しても、儲けた分は経営者と株主が吸い上げるだろうと言われている。
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大規模な公共事業の増加(インフラ整備に10年間で1兆ドル)と
大幅減税(法人税を35%から15%に、個人所得税の最高税率を39.6%から33%に)
大幅減税のメリットを主に享受できるのは富裕層。法人税の大幅減税により企業の収益は増加するが、近年は経営陣の報酬ばかりが大幅に増加していることを考えると、そのメリットは主に富裕層に行く。また、個人所得税の減税についても、米国のTax Foundationの試算によると、それによって中流階級の税引後所得は0.8%増加するのに対して、所得の上位1%の富裕層の税引後所得は10.2~16%も増加。
結局、いい思いするのは富裕層。
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米国の今後10年の人口増加率はわずか0.6%
したがって、持続的な経済成長の可能性は低い
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海外に流出した米国企業の工場を国内に戻し、メキシコや中国からの安価な輸入品には35%の関税をかけるといっているが
グローバル化の現実を考えると、米国の工場の海外流出を止められるはずがないのは、主要国間での賃金の違いを見ると明らか
米国の製造業の就業者数は1979年の1960万人をピークに減少を続け、今や1230万人となっている。その現実を無視して工場を米国に戻すというのは、非現実的と言わざるを得ない。
それは米国の賃金が高いから。
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自由貿易のおかげで、米国内でも様々なモノの価格が下落して安くなった。たとえば、2002~2012年の間に、おもちゃの価格は43%下がり、家具の価格は7%低下。当然ながら、そうしたメリットをもっとも享受してきたのは中間層や低所得者層。
実際、40ヵ国を対象としたある調査によると、自由貿易を止めた場合、富裕層の購買力は28%低下するのに対して、安い輸入品に頼らざるを得ない所得水準の下位10%の層の購買力は63%も低下する。
このように考えると、工場の海外流出を阻止し、製造業での雇用を回復するために反グローバリズムに偏っているとしたら、その対価はあまりに高いと言わざるを得ない。
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