“ギリシャと債権団との主張のすれ違いの最大のポイントは、財政再建の手法の相違にある。 ギリシャ政府は企業に対する課税などを通じて財政再建を実現することを目指すが、債権団は年金給付の引下げ等の実施を強く求めている。 債権団は、企業課税の強化はギリシャの経済成長を抑圧し、想定する財政再建効果をもたらさないとの見解をも同時に示している。 ここには、経済運営に際しての基本的な立場、主張の隔たりがある。 日本でも財政再建の方法論について、主張の相違がある。 安倍政権は 消費税の増税、法人税の減税、社会保障の圧

"ギリシャと債権団との主張のすれ違いの最大のポイントは、財政再建の手法の相違にある。
ギリシャ政府は企業に対する課税などを通じて財政再建を実現することを目指すが、債権団は年金給付の引下げ等の実施を強く求めている。
債権団は、企業課税の強化はギリシャの経済成長を抑圧し、想定する財政再建効果をもたらさないとの見解をも同時に示している。
ここには、経済運営に際しての基本的な立場、主張の隔たりがある。
日本でも財政再建の方法論について、主張の相違がある。
安倍政権は
消費税の増税、法人税の減税、社会保障の圧縮
などを通じて財政再建を果たすべきだと主張する。
これに対して、「弱肉強食政策」に反対する立場からは、
消費税の減税、法人課税の強化、富裕層に対する課税強化、社会保障の拡充
が提案される。
現状では、「弱肉強食派」の主張が押し通されている。
この「弱肉強食推進」の経済政策運営の考え方を「ワシントン・コンセンサス」と呼ぶことができる。
今回のギリシャに対する債権団の一角を占めるIMFの本部もワシントンに存在し、ワシントン・コンセンサスを策定した重要な一機関である。
このワシントン・コンセンサスの中核を占める経済運営の要諦(ようてい)は、
市場原理
規制撤廃
小さな政府=社会保障の圧縮
民営化
である。"